日々の保育の中で、
子どもたちの逃したくない瞬間
ありませんか?
それはふとした瞬間で
大人が
耳を澄まして
目を凝らして
肌を優しく保っていないと
その瞬間に出会うどころか
大人の思うように
子どもを動かしてしまうような
乱暴な関わりが生まれてしまいます。
この事例は、以前塾生専用の記事でも紹介しました。
2人の子どもたちの関わりを
保育者がじっくりと観察して
さなさんの心の動きや
ひなくんとの関係性
ひなくんが不思議だと思っていること
などを、少し離れたところから想像しながら観察をしている記録です。
大人はつい
「ほほえましい」とか
「かわいい」とか
「成長が見られる」などという
退屈で個人的な気持ちで
子どもの姿を丸め込んでしまう節があります。
子どものそばにいるということは
その子が言葉にはしない
「心の移ろい」や「初めて知ったこと」
「ちょっと後悔していること」などを
見つけることができる距離にいるということでもあることを、時々は思い出したいものです。
そこで提案
「ドキュメンテーション」という言葉が流行っている中…
保護者に伝えるための材料ではなく
「保育士が自分の保育や関わりをじっくりと味わいながら、保育を育てていくこと」のために
子どもの瞬間を分解してみてはいかがでしょうか。
事例を真ん中に置いて
まずは、その事例から受け取れる情報から分解します。
①子どもの姿
②大人の関わり・環境など
ここには、事例に書かれていることだけでなく写真から見えていること、これまでの子どものや大人の様子から推測できることなどを記すといいですね。
次に、
③現実・科学
④ファンタジー
こちらには、子どもが気付いている現実や科学的な視点と、ファンタジー的な要素を、想像力をフル回転させて記入していきます。
絵本で例えるとするなら
現実や科学的な視点??科学のとも
ファンタジー的な要素??物語絵本
と言えるでしょうか?
両方の側面から見ていくことで「子どもに教える」ということへのこだわりを手放すことができます。
そして、子どもの持っている「想像力」や「気付き」を一緒に味わえる感性を、大人自身が育むきっかけにもなります。
子どもたちの持っているものの中には
空想の世界に浸る感覚や
大人になると見えにくくなる物語があります。
例えば…
「先生、この綺麗な箱の中に入ってみたら、どんななるのかな?キラキラ?って星が降ってくるかな?」
「大きな建物が倒れて来そうで怖いから、急いでむこうに行きたい」
など、大人が
「そんなことできないよ」と
シャットアウトしてしまいそうな
つぶやきにこそ、子どもたちの持っている
世界観が溢れています。
そして最後が
⑤考えられる今後・明日の保育
子どもを観察するだけでなく
『もっとできること・やってみたいこと』
『子どもの世界を広げたり深めること』
を、出してみましょう。
この時に「活動」に寄りすぎないことが大切です。
(全部を解説・説明するやり方では、ワクワクしないですものね。アラジンの魔法の絨毯、解明できないから、胸が躍るのです)
例えば
子「先生、この綺麗な箱の中に入ってみたら、どんななるのかな?キラキラ?って星が降ってくるかな?」
というつぶやきに対して、
綺麗な箱の横に
・星が降っているような写真集を置いてみる
・ホログラムの折り紙を用意する
・箱の中で光で遊べるように、ライトを置いておく
など…
何が選ばれるかは子ども次第。
でもそこに何か一つ仕掛けがあることで、物事が広がったり深まったりする、かもしれないことを楽しみにしながら、保育が続くと嬉しいなぁ?と思います。
①?④のことは
⑤考えられる今後・明日の保育 のためにあります。
保護者に見せるためのドキュメンテーションを少し見直して「子どもの瞬間」や「つぶやき」「行動」から、明日の保育を考えてみませんか??
2021.04.29 がじゅまる 学習塾