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動画記録「増えている!子どもの怪我。安全対策と保育のゆとり」

今回のがじゅまる塾では、子どもの怪我が増えているという現状を受けて、子どもに安心・安全に過ごしてもらうために、明日の現場ですぐにできることを一緒に考えていく時間にしていきたいと思います。

子どもの怪我の件数は、コロナ禍とそれ以前では比較する状況や環境に差があるため、単純に比較をすること自体が難しいのですが、数字で見ると増えているのが現状です。(ホワイトボード参照)

子どもの怪我や事故が起きたときに、どのような経緯で事故が起きたのか・どのような対応をしたのか等がまとめられたものが市や県を通して、国に報告されます。そのデータをもとに、研究機関が分析をし、その後、現場の研修や運営指針として普及・活用されていく流れが基本となっています。
(しかしながら、園ごとにうまく情報共有ができていないことや、研修ではなく教育・訓練という視点で保育士育成ができていないことが、業界全体の大きな課題です)

まず、私たちが心がけておくべきことは「他の園で起きてしまった怪我や事故の事例を踏まえ、自分たちの園や保育では、どのようなことを気を付けたらいいのだろう?と考え行動すること」です。

ここで学ぶことは、制度を大きく変えよう、というスタンスではありません。

子どもたちの実態や、置かれている環境を理解したうえで、日々の保育の中でどのような活動や配慮を通してアプローチしていくかを、共に考えていきましょう。


はじめに「安全対策と保育のゆとり」について考えていきます。

対策というのは、その事象が起きないために自分たちにできることは何か?を考え、行動することです。

また、安全は、みんなで協力して基準を作ることで、管理することができます。

そして、安全対策は、各園・各クラスによって作りあげていくことができるものでもあります。


では、安全対策を考えるときのコツを2つ紹介しましょう。

1つ目は、子ども一人一人の発達の状況(認知面、体力面、コミュニケーション面など)を基準にしながら、今の子どもの現状を把握すること。

2つ目は、自分たち(保育者側)が、どのような関係性で働いていて、無理しない程度にどれくらいの範囲であれば子どもの行動を確認できるのかを考えること。

この2つをかけ合わせて考えることで、「いつまでにこのレベルまでに達していたらベスト」というような、段階的かつ見通しのつく、安全対策を考えやすくなります。


次に、「ゆとり」について考えていきます。

ゆとりと聞いてどんなことを想像しますか?

保育において大切なゆとりは、大きく分けて3つあります。

1つ目が、時間のゆとり。

スケジュールがパツパツに組まれすぎていないか?

計画や目標を立てるときに、短期間のスパンで考えすぎていないか?を、まず見直してみましょう。

2つ目が、空間のゆとり。

園の大きさが何平米あるとか、ビルの1階にあるなど元々の敷地てきな空間も大きな要因です。その他にも、騒々しい場所と静かな場所を分けるということでもゆとりを生み出すことはできます。例えば、保育士から死角にならない程度の囲いを作り、静かな空間を生み出したり、一部に簡易的なステージや畳を敷くことで高低差を作るだけでも新しい空間を作ることができます。空間づくりを学ぶときは、インテリア雑誌などがとても参考になりますよ。

そして3つ目が、精神的なゆとり。

例えば、社会人3年目の方は、歴としては長くなってきているけれど、コロナ禍だったこともあり、経験値が圧倒的に少ないことからまだ1年目の気持ちで不安があったりします。なので、保育士の目標をコロナ前と同じようには設定しないことで、先生たちの心にゆとりが生まれ、結果として、子どもに目を配りやすくなることにも繋がります。

では、本日の一番大切な話です。

明日からできる5つのことを紹介していきます。

1「適切な処置の確認」

怪我に対する適切な処置の仕方や、備品が揃っているか・備品の場所の確認をしておくことです。
そうすることで、自分たちにもゆとりが生まれますし、保護者からの安心感・信頼を得ることや、子どもたちに対して「思いっきり遊んでおいで」と言える保育に繋がります。

2「危険個所の共有」

最近、危険だと感じた場所や不安を感じる箇所を共有する。
共有に長い時間を使うのではなく、まずは口頭のやりとりで共有を行い、互いに「危険箇所」への意識を向けておくことから始めてみましょう。

3「自分・チームの危機管理の癖を分かっておく」

例えば、危機予測をして、事前にいろいろなパターンの危険を考えることは得意だけど、実際その場に直面すると思うように動けていない等、チームの癖を自分たち自身で知り、それを補うための対処法まで考えましょう。

4「コミュニケーションの見直し」

コミュニケーションというのは、単にチーム内の会話が多いことや、互いのことをよく知っているということだけではありません。
必要な情報、必要な目的に向かって必要なことを伝え合う。そして、それの内容についてしっかりと議論することができるかどうかが、一番大切なコミュニケーションになります。チーム内のコミュニケーションの取り方を見直してみましょう。

5「子どもの発達段階の理解を深める」

コロナ禍だったこともあり、子どもたちが必要な時に必要な経験や関わりが少なかったことなども考慮したうえで、一人一人の発達段階を考えて、観察していく必要があります。また、自分一人での観察にとどまらず、他の人の見立てを知ることや、共有の中で新たな姿を発見していくことも重要です。


そしてプラスアルファで、「自分の体調と集中力の管理」です。

私たち大人も、目まぐるしく環境が変化していると、いつも通りの集中力が保てなくなってしまうことがあります。

また、この時期になると新しい仲間にも慣れてきますので、親しき仲にも礼儀ありを忘れずに、互いに柔らかい言葉を使うことを意識して過ごせるようにしていきましょう。

今回の講座が、子ども達や保護者を変えさせようと思うのではなく、自分たちが子どもと関わる8時間、10時間の中でどういうことができるのかを考えることに焦点をあてて頂くきっかけの一つになると嬉しいです。

2023.5 がじゅまる学習塾

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